先日、漫画家の成田美名子先生の原画展へ
お花をお届けする機会をいただきました。
会場は豪徳寺にある
築130年以上の水の色の洋館
旧尾崎テオドラ邸。
今回のご依頼は、
「はじめまして」のメールから始まりました。
ぜひご注文いただきましたは、
成田先生を長く支えてくださっています
「成田組」の皆様。
先生の作品の世界やお好みを
誰よりもよくご存知の方々からのお花です。
「成田先生の作品と、テオドラ邸の雰囲気に合うように」
そんなお任せのご依頼に、
正直なところ……
少しプレッシャーを感じながらデザインを考えます。
原画展の資料を拝見しながら、
作品の世界を思い描き、
その空気にそっと調和するように・・・。
冬の作品展は、暖房の効いた会場のため
空気が乾燥しがちです。
さらに期間も長いため、
できるだけ長く楽しんでいただけるよう
日持ちの良い品種を厳選しました。
それでも作品展の場に相応しい
華やかさも欠かせません。
少しデリケートと知りつつもそのバランスを考えながら
お花を選びます。
花びらが幾重にも並ぶ
ドレスのようなアンティークのバラ。
そしてダリア。
「感謝」「優美」という花言葉を持つ花です。
写真では伝わりにくいですが、
実際はかなり大きく、
ずっしりと重みのあるアレンジでした。
そして後日――
ご依頼主様から
「とても素敵なお花に感動しました」
というメッセージをいただきました。
さらに、先生ご自身が
「私が描いたお花が入っていたのよ」
とお話しされていたと伺い胸が熱くなりました。
そのお花は
『花よりも花の如く』
最終巻(第24巻)の表紙に描かれている薔薇
“ベルネージュ”。
まさに、胸元につけているあのバラです。
ベルネージュを意図して
ご用意できていたのなら
少しドヤ顔してしまうところですが……。
これは
お花の粋な演出。
お花の魔法です。
作品の中のお花と、
実際のお花が重なる瞬間。
花屋として
こんなに嬉しいことはありません。
お花は、見て楽しむだけではなく
誰かの想いや物語を紡いでくれるものなのだと
あらためて感じました。
成田美名子先生の原画展は4月14日迄ですのでぜひ!
日本の伝統芸能である能。
それを美しい絵とリアルな描写で描いた
24年にわたる物語をしめくくる最終巻。
先生のインタビューもご覧ください。
大切な舞台のお花をおまかせ頂きありがとうございました。
そして成田美名子先生、原画展おめでとうございます。